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過去1世紀の間に、台湾も社会的に急激な変化をきたし、経済と医療の改善によって、死亡率が急速に低下し、平均寿命も伸びた。そして主要死因も「感染症死亡」から「成人病死亡」に転換し、医療費の増大と社会負担が高くなった。また死亡率の低下と社会経済の発展ならびに家族計画の推進によって、出生率も急速に低下し、人口転換の過程を完成した。
現在、再生産率はすでに置き換え水準以下に落ちた。将来、教育程度の上昇に伴って、理想の子供数や有配偶率も持続的に低下するであろうし、反面、死亡率は人口の高齢化で徐々に上昇するため、人口数の減少は免れられないと思う。
出生率の急速な低下は、人口の高齢化を促進した。現在7%を超える高齢人口は、将来急速に増加し、2031年には総人口の20%を超える見込みである。高齢人口の数と比率の増加は、台湾の社会に大きな圧力をもたらし、如何にしてこの問題を解決するかが、重要な課題となっている。

 

 

 

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